2020年02月02日お役立ち情報
去勢手術について ※2010/5/25
ハリーの去勢手術をしました。
特に問題無くスムーズに終わり、現在は何事も無かったように走り回っていますが、
手術の前後に絶食をしなくてはならなかったのが、食いしん坊のハリー君には辛かったようです。
まだ麻酔でぼんやりしているハリー君
病気でもないのに手術をするのはかわいそう、という考えもありますが、
避妊・去勢手術をすることのメリットもあります。
男の子の場合、去勢手術をするとマーキングを、
一部で行動が残る子もいますが多くの場合で抑える事が出来ます。
特にネコちゃんではスプレー行動と言って、そこらじゅうにおしっこをひっかけたりしますが、
それをかなりの確率で抑えることが出来ます。
また、男の子が歳を取ると、前立腺肥大や前立腺癌に罹ることがありますが、それらの予防になります。
女の子の場合、避妊手術をすると乳癌や子宮蓄膿症などの予防になります。
最初の生理までに避妊手術をしておくと、将来乳癌になる可能性がほぼゼロになりますし、
その機会を逃しても3歳までにしておけば、乳癌のリスクを下げることが出来るといわれています。
子宮蓄膿症は子宮の中が化膿し、膿が貯まってしまう病気で、
乳癌と同様に高齢のワンちゃんでしばしば見られます。
高齢のワンちゃんがこれらの重篤な病気に罹ると、手術のリスクはかなり高くなります。
そんな患者さんに出会うたびに思うのは“若いうちに避妊をしておいてくれれば・・・”
また、現在1年間に約4万頭(2018年度)のワンちゃん・ネコちゃんが保健所などで殺処分されています。
その原因の一つに、飼い主様の望まない妊娠があります。
飼い主様が少し目を離したすきに脱走し、帰ってきたら妊娠していた、子供が生まれたけどこんなに飼えないし、
貰い手も無いし・・・という事で捨てたり保健所へ連れていかれるケースがあとを絶ちません。
そのような不幸な子供を生みださないためにも、
特に子供を作る予定が無い場合は避妊手術をされる事をお勧めします。
ただ、手術自体にも麻酔や出血等のリスクがありますし、
術後にホルモンのバランスが崩れて太り易くなるなどのデメリットもあります。
飼い主様には、それぞれのメリット・デメリットを考えて手術を行うか決めて頂きたいと思います。
一仕事終えた手術室、まだ見ぬ激闘に備え、英気を養っています。