2020年06月06日お役立ち情報
夏の暑さにご注意! ※2012/8/5
毎日暑いですね
ずいぶん更新をさぼっているうちにすっかり夏になってしまいました。
こう暑いと人間でも体調を崩しがちになりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか ?
節電節電と喧しいですが、熱中症や脱水症状などを起こさないよう、適宜エアコンなどを使って涼を得て頂きたいと思います。
自分でエアコンのスイッチを入れたり、冷蔵庫から冷たい飲み物を出したりできないワンちゃん・ネコちゃんにとっては、このような暑さは時として命取りになります。
体温が42℃を超えるような重度の熱中症では、胃腸など複数の内臓に回復不能な障害が起こり、体温を下げても助からない事がありますので、十分に用心して頂かなくてはなりません。
特に、熱中症で命を落としたワンちゃんを私も多く経験しています。
エアコンを切って外出したり、車の中にワンちゃんを残して離れたり、炎天下で長時間散歩をして熱中症になるケースが後を絶ちません。
また、パグ・フレンチブル・シーズー・キャバリアなど短頭種では生まれつき
“短頭種症候群”と呼ばれる鼻や喉のトラブルが多いです。
短頭種症候群とは
①鼻孔狭窄
鼻がペチャンコで鼻の穴が生まれつき狭く、鼻からの呼吸がし難い事があります。
②軟口蓋過長
喉にある気管の入り口のフタが生まれつき大きかったり、毎日刺激を受けているうちに延びてきたりして、呼吸困難の原因となります。
③気管虚脱
気管の一部の軟骨が変形し、気管が呼吸と共に閉じたり開いたりして、喘息の様な咳を起こします。
④気管低形成
生まれつき気管の形成が不十分で細いため、換気がし辛い事があります。
⑤咽頭の反転
気道に余分な圧力がかかり、咽頭の一部が反転して気道をふさぐため、呼吸困難の原因になります。
これらのトラブルが起こると、口から泡を吹いて失神したり、そのまま放置すると命を落とすことも有ります。
そして厄介なことにこれらのトラブルは、暑さでハーハーと早い呼吸(パンティング)をしているうちに誘発される事があります。
短頭種以外に小型犬でもしばしば起こりますので、それらの犬種では長時間パンティングをするような環境は避けて頂きたいと思います。
具体的には
①ワンちゃん・ネコちゃんをおいて外出される際には、彼らのいる部屋に弱くエアコンをつけるか、窓の一部を開けて空気がこもらないようにして下さい。
②一緒に外出された際、車の中に放置するのは絶っっっっっっ対にいけません、たとえわずかな時間でも、です。
③夏の炎天下ではアスファルトの温度は50℃や60℃にもなります、人間より背の低いワンちゃんはその熱気をもろに受けますので、暑い時間帯のお散歩は避けて、早朝か夜にして下さい。
熱中症は時として命にかかわります、“このくらいは・・・・”と軽く考えず、十分用心してあげて下さい。
短頭種代表のパグであるハリー君
横から見ると顔が平べったく、鼻がつぶれているのが分かります。
ハリー君はそれほどでもありませんが、鼻の穴が狭く、普段から鼻を鳴らす音が大きかったり、いびきの音がうるさいワンちゃんは注意が必要です。
予防としては、体型を少しやせ気味に維持することです。
短頭種や小型犬はコロコロした体型がカワイイですが、健康には良くありません。
喉の部分にお肉がたくさんついていて二重アゴになっている子は、やはり喉のトラブルが起こり易いです。
ハリー君は喉もスッキリしていて、なかなかのイケ・・・・まあそれはさておき
夏の前に急激に太った子は、喉のトラブルに見舞われる事が多いです。
体重の維持・管理には気をつけてあげて下さい。
ハリー君のダイエット奮戦記はまた別の機会に
話は変わりますが、先週末に宝塚では花火大会が行われました。
毎年この時期に行われ、それに合わせて獣医師会ではビアホールで飲み会があります。
花火を見物しながらビールを・・・・とは場所の関係で出来ませんが、夏の雰囲気を満喫しました。
今年もこれから夏本番を迎えます、皆様とパートナーとの良い思い出が出来ますように。
※近年では少し寒さが緩んで春めいてきたと思ったら、あっという間に夏のような暑さになってしまいなすね。
急激な気候の変化は体調不良の元ですので、十分にお気を付けください。